「まだ4月かぁ……」
最近、何度この言葉を口にしたでしょう。
今作っている『一日ひとつ季節のことば 2027』。
1月1日から12月31日まで、毎日ひとつ、その季節に似合う言葉を載せています。
一日分の文章を書いて、絵を作って、確認して。
「よし、次」
そうやって一日ずつ進んでいるのですが、
なかなか進まない(笑)
ミニよしみ:
「まだ4月?」
「そうやねん」
ミニよしみ:
「一年って長いね」
「ほんとにね」
そのとき、ふと思いました。
一年って、こんなに長かったっけ。
「もう一年?」が当たり前だった
今までの私は、一年を「まとまり」で見ていたのだと思います。
お正月。
桜。
夏。
年末。
大きな季節の節目だけを覚えていて、その間にあった何百日もの一日は、
気づけばまとめて通り過ぎていました。
「もう春か」
「もう夏が終わる」
「もう年末」
そうやって、一年を早送りするように過ごしていたのかもしれません。
一日は24時間。
一年は365日。
数字としては、もちろん知っています。
でも今、本の中で1月1日から一日ずつ作っていると、その365日が急に違って見えてきました。
1日には1日の季節があって、
昨日と今日でも、ちゃんと違うものがある。
今まで私が「一年」とひとまとめにしていたものは、本当は365個の一日でできてい
たんだ。
そんな当たり前のことを、今さら実感しました。
365日を、一日ずつ先に歩いてみた
本を作り始めてから、その365日を一日ずつ先に歩くようになりました。
今日は、この言葉。
次の日には、また違う言葉。
昨日と今日では、ほんの少し季節が違います。
冬の冷たい空気の中にも、少しずつ春の気配が混じってくる。
花が咲く。
水がぬるむ。
芽が出る。
筍が顔を出す。
そして、茶の木にも新しい芽が伸びてくる。
今までなら、
「春だなぁ」
の一言で通り過ぎていたものが、
一日ずつ立ち止まってみると、こんなにもたくさんありました。
ミニよしみ:
「毎日、何かあるんだね」
「そうだね」
何もないと思っていた一日にも、
季節はちゃんと動いていました。
一日ずつ見ていくと、365日はただの数字ではなくなります。
一日一日に、ちゃんと重さがある。
そんなふうに感じるようになりました。
「早く進みたい」と思っていたけれど
本づくりをしていると、どうしても焦ります。
早く5月へ行きたい。
早く夏まで作りたい。
早く12月までたどり着きたい。
でも、早く進もうとすると、不思議なくらい出来が悪くなります。
「違う」
「またやり直し」
結局、余計に時間がかかる。
そんなときは、自分に言います。
「落ち着け、私」
まだまだ先は長い。
だからこそ、一日を飛ばして進むことはできません。
「もう」の間にも、一日はあった
私たちはよく、
「もう金曜日」
「もう月末」
「もう一年」
と言います。
私もずっとそうでした。
でも、その「もう」の間にも、
ちゃんと一日ずつ意味があったんですよね。
楽しかった日だけではありません。
仕事に行って帰ってきただけの日。
何もできなかったと思う日。
そんな日まで全部ひっくるめて、一年になる。
本を作りながら一年を先に歩いていると、
今までさらーっと過ぎていた一年が、前よりずっと重たく感じられるようになりました。
悪い意味の「重い」ではありません。
一日一日に、
「ここにもちゃんと一日あったんだ」
と思える重さです。
まだ4月。それでも、今日の一日を
ミニよしみ:
「じゃあ、まだ4月でもいい?」
「いや、早く進みたい(笑)」
そこは変わりません。
たぶん明日も、
「全然進まない!」
と言っていると思います(笑)
それでも、
昨日までなかった一ページが、
今日ひとつ増える。
そうやって365日を一日ずつ歩いた先で、
私はどんな一年を見るんだろう。
今は、それが少し楽しみです。
そして今日も、
「あとどれだけ残っているんだろう」
ではなく、
「今日は、どんな一日を作ろうかな」
そんなふうに、一日ずつ進んでみようと思います。



